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2015年12月10日木曜日

【研究ノート】 米中戦争と兵器

 戦争や戦略、軍制など、あらゆる軍事的な事柄は、一般的に軍事技術との深い関係性が認められる。軍事技術の優劣によって戦争の勝敗や戦闘法までもが変化することや、軍事技術によって絶大な軍事力を保持することも、歴史的には行われてきている。



米中戦争について思うこと

 ミサイルの発達と大量配備は、戦局にどのように影響するだろうか。
 空母なし艦隊に対する空母機動部隊の優位性は変わらないだろうが、迎撃ミサイルの性能・数量如何では、空母が大きな的にもなり得る。敵のミサイル飽和攻撃にどのように対処するのだろうか。日米に限っては、きちんと戦略を練っているものと思うが。
 しかし、こういうときこそ、世界最強と言われる米軍は頼もしい。背景にある日米の技術力・生産力も頼もしい。飽和攻撃等で例え一時的に敗退することがあっても、訓練された軍隊と技術力・生産力で必ず挽回し、やり返すだろう。
 あとは核兵器に注意することか。自国民でさえ平気で虐殺する中国のことだから、不利と見れば核兵器を使いかねない。都市攻撃用の戦略核兵器だけでなく、戦術核も使いかねない。自軍もろとも核攻撃とか。また、トラック搭載の移動発射型なら衛星で監視ということもできようが、潜水艦発射型はどう対処するのだろうか。ある程度の射程距離があるから、中国近海から沖縄狙い(軍事施設または都市)ということもあり得る。早々に撃沈する以外に手はあるのだろうか。

※飽和攻撃: 
 攻撃目標が持つ防御能力の限界を超えた時間当たりの量で攻撃すること。迎撃ミサイルの数より多くの攻撃ミサイルを撃ち込むことなど。

※戦略核兵器: 
 戦略的目標に対して使用される核兵器。定義は曖昧であるが、一般的には戦術核兵器より威力が大きく、敵国の軍事基地や行政機関、人口密集地、エネルギープラント等の比較的大規模な目標の破壊を目的とする核兵器に用いられる。

※戦術核兵器: 
 戦場単位で、通常兵器の延長線上での使用を想定した核兵器。戦略核兵器や、戦域核兵器(中距離核兵器)に対して射程距離が短い。
 米ソ間の核軍縮協定などでは射程距離500km以下のものが戦術核兵器であると定義されている。しかし、この分類は運用方法によるもので、必ずしも核弾頭の威力の大小とは一致しない。また、この定義も米ソ冷戦時代のものであり、冷戦の終結と核拡散によって定義は曖昧になりつつある。

※中国の核弾頭搭載型巡航ミサイル CF(長風)ミサイルシリーズ(戦術核兵器):
 このシリーズでは長風1(CF-1)及び長風(CF-2)の2種類が存在している。このシリーズは中国国内の技術で開発された最初の長距離巡航ミサイルである。長風1の射程距離は400 km で、長風2の射程距離は800 km である。両方とも 10 kt の核弾頭を搭載することが可能である。

※中国の潜水艦発射型弾道ミサイル JL-2(巨浪2号): 
 大陸間弾道ミサイルDF-31(東風31号)の潜水艦発射型であり、基本部分は共通。三段式の固体燃料ロケットで、晋型原子力潜水艦(094型)に12基搭載される。弾頭は3個以上のMIRVと推測されている。
 夏型原子力潜水艦に搭載・配備中のJL-1 SLBMは射程が2,000km台の単弾頭で、ハワイ以東に進出せねばアメリカ合衆国本土を攻撃できず、射点到着前に撃沈される可能性大でアメリカに対する核戦力としてはあまり有効でないものであった。JL-2は射程が8,000km以上と推測されており、中国近海からアメリカ本土を核攻撃できる能力を持つことになる。
 2008年時点のアメリカ国防総省の推測では2009年以降に作戦能力を獲得の見込みであった。しかし、開発試験は不調であり、2010年時点でも配備はなされず、配備時期も未定と推測されていた。晋型原子力潜水艦の就役が進みつつも、搭載ミサイルが無い状況にあったが、2013年5月6日公表のアメリカ国防総省の報告では、2012年の好調な試験結果を受けて、2013年に初期作戦能力を獲得するものとみている。



兵器の変遷

【研究ノート】 世界軍事史
http://shinanonoblog.blogspot.jp/2015/12/blog-post_61.html

産業革命時代

国民軍の登場(それまでは傭兵や封建諸侯から徴発された私兵が主体)
徴兵制の普及
蒸気船の登場
炸裂弾型艦載砲の登場
後装式ライフル銃の登場
機関銃の登場



第一次世界大戦

戦車の登場
航空機の登場
潜水艦の登場
化学兵器の登場



第二次世界大戦

航空機の発達(全金属製航空機の登場、爆撃機の発達)
空母機動部隊の登場
ミサイルの登場(独・弾道ミサイルによる英仏他攻撃)
レーダーの登場
コンピュータの登場(暗号解読、弾道計算)
核兵器の登場



現代(第二次世界大戦後)

航空機の発達(超音速機の登場)
潜水艦の発達(原子力潜水艦の登場)
コンピュータの発達(処理能力の向上、ネットワークの登場)
ミサイルの発達(弾道ミサイル、巡航ミサイル、迎撃ミサイル、精密誘導)
核兵器の発達(潜水艦発射型弾道ミサイルの登場、水爆の登場)
電子戦兵器の発達(レーダー、ジャミング)
人工衛星の登場(監視衛星、通信衛星、GPS)



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改訂履歴
※2015.12.10、新規作成
(旧記事「【研究ノート】 米中戦争と兵器(世界軍事史を見て思うこと) 」より移動)

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