私の身近に「信濃」元乗員の方がいました。
その方の戦友の方々、無念の戦死であったろう戦友の方々に、僅かでも弔いになればと思いしたためました。
※この文章はコピペ・フリーです。
※以下の文章の作成にあたり、この資料を参考にしています。
・「空母信濃の少年兵」、蟻坂四平、岡健一、元就出版社、2004
(現在は光人社NF文庫から出版)
世界最大の戦艦「大和」「武蔵」に次ぐ三番艦の戦艦として建造開始された「信濃」。
相次ぐ海戦での空母喪失を受けて、急遽、空母として改造。世界最大の空母となった「信濃」。
フィリピンや沖縄付近での海戦に投入されることになっていたそうです。
「信濃」は「信州」、「信州」は「神州」、「名誉ある名前」だったそうです。
ちなみに、1961年にアメリカ海軍最後の通常動力型の空母「キティホーク」(満載排水量 83,301t)が登場するまで、史上最大の排水量を持つ空母でした。
「信濃」は全長 266.1m、飛行甲板長 256m。海上自衛隊最大の準空母「いずも」の全長 248.0m よりも巨大です。
1940年5月4日、横須賀にて起工。
1944年10月5日進水、同年11月19日竣工、しかし艤装は未完成。
11月24日、予想された横須賀空襲の回避と艤装継続のため呉回航を決定。
11月28日13:30、横須賀を出港、翌日入港予定の呉に向かう。未完成状態での出航。
出航準備として、少年兵達であれば、髪の毛と爪を切って封筒に入れ、国元の宛先を書く。
「呉についたらいよいよ出撃か」と勇み立ったそうです。
回航の途中、東京湾から外洋に出て間もなく、米海軍潜水艦に発見・尾行される。その後、同潜水艦からの魚雷4発を受けて、和歌山県潮岬(しおのみさき)沖にて撃沈。
戦局の悪化により、日本近海にまで米潜水艦が進出していた時分です。
(身近にいた元乗員の方によれば、艤装用のケーブルが邪魔になって水密区画を閉められない場所もあったとか)
11月29日03:18、被雷、11月29日10:50、沈没。
乗員は艦長の総員退去命令で海に飛び込んだ。艦長・阿部大佐は「信濃」と運命を共にした。
冬の海は冷たかったことでしょう。
「お国のために、装備を整えていざ出陣」というときに撃沈されたのですから、さぞかし無念だったことでしょう。
(身近にいた元乗員の方は「国のために戦ったんだ」ということを自負しておりました)
軍人・軍属・工員ら2500名のうち、1500名もの方が戦死されました。生き残った方は僅か1000名。
さぞかし無念の戦死だったことでしょう。
(人数については諸説ある模様。上記人数は「空母信濃の少年兵」による。wikipedia-信濃(空母)によると、生存者は準士官以上55名、下士官兵993名、工員32名。戦死者は「信濃会」の調査によると工員28名、軍属11名を含む791名。)
おびただしい数の溺死体が海面に浮かぶ。
生存者達は、その中に浮かびながら「海行かば」を波打つように大合唱したそうです。
海行かば水漬く屍(かばね)
山行かば草生す屍
大君の辺(へ)にこそ死なめ
かえりみは せじ
重油まみれになりながらも僚艦に救助された生存者達。しかし、そこに追い打ちをかけるように箝口令が敷かれたそうです。
「信濃」喪失は帝国海軍にとって最高の軍事機密だったとのこと。
(当時の新聞にも全く書かれなかったそうです。)
生き残った乗員はその後、広島県安芸郡音戸町の三子島(みつこじま)に幽閉。療養所跡のような建物10棟で半監禁生活を送ることになった。
1か月ほど経つと、転属命令が次々と出され始める。転属先はフィリピン、沖縄、鹿児島、長崎市の造船所など様々だった様子。
その後、終戦を迎えます。
以下、wikipedia-信濃(空母)より引用です。
艦歴
起工 1940年5月4日
進水 1944年10月8日
就役 1944年11月19日
沈没 1944年11月29日
沈没地点 北緯32度0分 東経137度0分
除籍 1945年8月31日
性能諸元
排水量
基準:62,000 トン
公試:68,060 トン
満載:71,890 トン
全長 266.1 m 飛行甲板長: 256m
全幅 40 m
水線長:36.3 m
吃水 10.31m
機関
タービン4基4軸, 153,000 HP
最大速 27 ノット(計画)
航続距離 10,000 海里(18ノット時)
乗員
士官、兵員2,400名
兵装
12.7cm連装高角砲8基16門
25mm3連装機銃37基
25mm単装機銃40基
12cm28連装噴進砲12基
搭載機
常用42機、補用5機
(総数50機という説もある)
平成27年(2015年)11月14日 信濃
(google+ 自己紹介文より)
(google+ 自己紹介文より)
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