・西暦1054年に分裂して以来、約1000年ぶりのトップ会談
…ローマ・カトリック教会、法王フランシスコ
…東方正教会、最大勢力・ロシア正教会の最高位、キリル総主教
・キリスト教徒がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などから迫害されている問題などについて協議
・共同宣言発表
…「中東・アフリカ地域の国々では、キリスト教の兄弟たちの家族や村、都市が根絶やしにされようとしている」と強い懸念を表明
…「教会も攻撃や略奪の対象となり、神聖なものが冒涜(ぼうとく)されている」と強調
…その上で、共通の課題に協力して取り組む姿勢を示す
信濃注:
これって、キリスト教東西連合 vs イスラム教(一部)の構図になってないか?
(以上)
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ローマ法王が露正教最高位と会談、1054年の東西分裂後初 本格和解へ、「ISの脅威」で一致2016.2.13 10:40
【ニューヨーク=黒沢潤】ローマ・カトリック教会を率いる法王フランシスコは12日、キューバの首都ハバナで、東方正教会の最大勢力であるロシア正教会最高位のキリル総主教と会談した。両勢力のトップが会談するのは史上初めて。1054年に分裂した東西教会は、本格和解に向けて歴史的な一歩を踏み出した。
法王フランシスコとキリル総主教は、ハバナ郊外にあるホセ・マルティ国際空港で会談した。法王が「(会談が実現したのは)神の意思によるものだ」と語り掛けると、総主教は「今の時代、何をするにも簡単になっている」と応じた。
両者は、キリスト教徒がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などから迫害されている問題などについて協議した。
会談後に発表された共同宣言では、「中東・アフリカ地域の国々では、キリスト教の兄弟たちの家族や村、都市が根絶やしにされようとしている」と強い懸念を表明。「教会も攻撃や略奪の対象となり、神聖なものが冒涜(ぼうとく)されている」と強調した上で、共通の課題に協力して取り組む姿勢を示した。
東西に分裂したキリスト教会は、長らく対立していたが、第2次世界大戦後、ローマ法王とロシア正教会を除く東方正教会側との間では、融和に向けた動きもあった。一方、ロシア正教会とは、旧ソ連圏のカトリック教会の教勢拡大などをめぐる対立のため、協議が難航していた。
ローマ法王、ロシア正教会総主教と会談へ 史上初、1000年近くの対立を経て 産経ニュース、2016.2.12 17:14
【ニューヨーク=黒沢潤】ローマ・カトリック教会を率いる法王フランシスコは12日、キューバの首都ハバナで、東方正教会の最大勢力であるロシア正教会のキリル総主教と会談する。両勢力のトップが会談するのは史上初めて。1000年近くの対立を経て、歴史的和解に向けた一歩を踏み出す。
キリル総主教は11日にハバナ入りし、12日午後にハバナの国際空港内でフランシスコと会談する。会談は両者が中米地域を訪問するのに合わせて実現する運びとなった。両者は、中東・アフリカ地域でキリスト教徒がイスラム過激派から迫害されている問題などについて協議し、共同宣言も発表する。
キリスト教会は1054年、東西に分裂。ソ連崩壊後、カトリック教会の旧ソ連圏での教勢拡大などにロシア正教会側が反発していたが、法王フランシスコは2014年11月、「あなたが望む所ならどこへでも行く。あなたが呼んだら、私は訪れる」と、キリル総主教に対話を呼び掛けていた。
ロイター通信によれば、ロシア正教会の信者は約1億6500万人。ローマ・カトリック教会の信者は約12億人。
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改訂履歴
※2016.2.15、タイトル変更(他の記事との整合性をとるため)、「【研究ノート】 キリスト教・東西教会、歴史的和解へ一歩、1000年ぶりのトップ会談」 >> 「【研究ノート】 キリスト教・東西教会、1000年ぶりのトップ会談、歴史的和解へ一歩」
よく分からないのですが,「キリスト教徒」というのは,カソリック教徒のことで,プロテスタントの教徒ではないような気がするのです。なぜなら,ISISを生み出したのは,アメリカ合衆国であり,プロテスタントのアメリカであり,特にネオコン一派だと考えるからです。
返信削除例えばV.ヌ-ランドや彼女の夫R.ケ-ガンなどは,プロテスタントであり,ネオコンであり,彼らの教義は自国や他国の憲法,国連の上に置いているとしか,思えません。
コメントありがとうございます。
削除ちょっと時間をいただけませんか。
不勉強な部分がありますので私なりに調べて回答いたします。
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除匿名様、回答いたします。
返信削除事実1
・キリスト教トップ会談の一方にプロテスタントは含まれていない
・米国ではカトリック21%、プロテスタント58%(2003年)
・欧州ではカトリックとプロテスタントの比率不明
(カトリック発祥の地である欧州では、カトリック比率が世界平均を下回ることはないだろうと推測)
・世界全体ではカトリック50%、プロテスタント37%
結論1
・米国ではプロテスタントが主流
・米国、欧州ともに、カトリック、プロテスタントのいずれも、政治的に無視できる割合ではない
事実2
・2001-2009、共和党・ジョージ・ブッシュ政権とアメリカ新世紀プロジェクト
・2009-、民主党・オバマ政権とヌーランド国務次官補
・ヌーランド国務次官補の夫は、アメリカ新世紀プロジェクト共同発起人の一人であり、代表的なネオコン論者のロバート・ケーガン
結論2
・米国でネオコンが一定の影響力を持っているのは事実だろう
事実3
・米・NATO vs 露の対立がある
・米の原油輸出解禁は露にとってきつい様子
・イスラム国、パリ同時多発テロの犯行声明「十字軍フランスに聖なる攻撃」
・キリスト教トップ会談の共同宣言「教会も攻撃や略奪の対象となり、神聖なものが冒涜されている」
考察
・米国がISISを生み出した可能性はある
…仮説は成り立つが事実認定はできない
・キリスト教東西連合 vs イスラム教(一部)の可能性はある
…仮説は成り立つが、米・NATO vs 露の対立がある以上、実現性は低い
(私も軽い気持ちで書いてしまったもので)
…なお、米欧ともにカトリック勢力は無視できない
ネオコンの影響力はあるでしょうが、同様にネオコン以外の影響力も無視できないと思います。
結果として、いずれのシナリオも、現状ではあくまで可能性の範囲に留まるとしか言えません。