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2016年1月10日日曜日

【豆知識】 左派有識者の9条改憲論議、2016.1、子供の遊びかよ!


日本国憲法

第二章 戦争の放棄 

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



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 一口に左派と言っても様々な方がいますが、添付資料の討論会では3人の有識者が意見を交わしています。そのうちの一人の発言。
 有識者なんてよく言えたものだ。おかしい…子供の遊びかよ! 国があってこその憲法なのに。



・9条を「ある意味で人類の理想だ」と評価し、「(改正は)理想と現実が食い違うときに、少しでも理想に近づけようというゴールを見失ってしまうことになる」と訴えた。

・「それまでの海外派兵は『世界の悪者をやっつけるため』と謳っていたが、海賊対処の名目は『日本の国益のため』だ。これは戦後初めてだ。われわれは武力を国益のために使ってはいけないはずだ。歴代の自民党政権がやったことより、違憲という意味では最大の違憲行為だ」

・「仮に侵略されたときにはどうするか? それは白旗をあげることだ。警察や(自衛隊を改組した)国境警備隊が正当防衛や緊急避難の範囲で武器を使用することはあるかもしれないが、武器を持たない市民は、非暴力、不服従を徹底すべきだ」

・「非暴力や不服従のさまざまな抵抗はするが、暴力や武力を行使して抵抗することはしないという意味だ」と補足。「ガンジー主義」での反撃は、個人の心構えとしては崇高だが、「他人に強制できない」のは確かだろう。

・(国際社会に対して)日本有事でも助力は拒むが、勝手に助けてくれるなら拒否はしない。ただし注文は付ける」という主張と理解できる。そのような態度が国際的に理解されるだろうか。





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凡例

白地赤文字:  一理あると思う
黄色地黒文字: 国防を全く考えていないと思う



以下、添付資料

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【憲法改正論議】なぜ「リベラル改憲派」が動き出したのか? 「欺瞞に終止符を」と9条2項削除論も 討論会で左派の内部矛盾を露呈… 産経ニュース、

集団的自衛権行使の限定容認を含む安全保障関連法をめぐっては、護憲を訴えるリベラル・左派から「立憲主義の破壊だ」などと激しい安倍晋三政権批判が巻き起こった。そのリベラル勢力から、憲法9条改正を求める“改憲派”の動きが活発化し、護憲運動の内部で激しいあつれきを引き起こしている。
 今回の憲法解釈変更を認めない点は同じだが、“改憲派”は「安倍政権の解釈変更はダメで、自衛隊は合憲というのは欺瞞だ」などと主張。一方で従来型の護憲派は「そうした主張は改憲勢力を利するだけだ」と反発を強める。両派の論者が登場した討論会をのぞいてみた。

「9条問題の本質をつかむ。『新9条』は不要?必要?」

 そう題した討論会は昨年12月、東京・永田町の参院議員会館で開催された。市民グループ「国民投票/住民投票情報室」が主催し、事務局長でジャーナリストの今井一氏が司会を務めた。今井氏は「『解釈改憲=大人の知恵』という欺瞞」(現代人文社)との著書があり、リベラル内“改憲派”の1人だ。
 討論会では3人の有識者が意見を交わした。弁護士の伊藤真、東大教授の井上達夫、東京外大大学院教授の伊勢崎賢治の3氏で、伊藤、伊勢崎両氏は昨年の安保法制の国会審議にも参考人として招かれた。
 討論会の冒頭、3氏がそれぞれの立場を語った。

 「私は平和主義、非武装中立を徹底すべきだと主張している。原理主義だと批判されるが、9条については筋を通すべきだ。未来永劫変えてはいけないとは全く思っていない。改正には賛成だが、改悪には反対だ。改正するにもタイミングがある。今の段階でやるべきではない」
 そう述べた伊藤氏は司法試験受験の予備校・伊藤塾塾長として、「司法試験の神様」とも称されたカリスマ講師でもある。9条を「ある意味で人類の理想だ」と評価し、「(改正は)理想と現実が食い違うときに、少しでも理想に近づけようというゴールを見失ってしまうことになる」と訴えた。

 一方、井上氏はリベラル内“改憲派”を代表する論客だ。近著「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください」(毎日新聞出版)などでの厳しい“身内”批判が話題を集めており、討論会でも舌鋒鋭く言い放った。
 「憲法をめぐる議論は、安倍政権に象徴される右派の議論も、伊藤さんに代表される護憲派の議論も、ともに欺瞞的だ」
 政府・与党のような「自衛隊も集団的自衛権も合憲だ」という立場も、民主党のような「自衛隊は合憲だが、集団的自衛権は違憲だ」という立場も、井上氏は等しく誤りだと断じる。
 「自衛隊は世界有数の軍事組織なのに『戦力でない(から合憲だ)』というのは全くの欺瞞だ。9条2項は『陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は認めない』と明確に言い切っている。『専守防衛ならOKだ』と言っている連中が『安倍政権は集団的自衛権行使まで広げようとしている、解釈改憲だ』と言ったところで、説得力はない」
 井上氏は9条2項を「削除」し、現実と憲法の乖離から目を背ける欺瞞から脱却するべきだと主張している。「9条のため憲法上、戦力は存在しないことになっている。だから戦力を統制する規範がない。憲法は自縄自縛の非常に危険な状況にある」と訴えた。

 最後の1人、伊勢崎氏はNGOや国連の職員として紛争処理などに携わった経験がある。かつては9条護持派だったが、現在では「新9条」への改正を提唱。集団的自衛権の不行使や、個別的自衛権の行使は日本施政下の領域に限定することなどの明文化を主張している。
 伊勢崎氏の見方は、「安倍政権が集団的自衛権の行使を可能にした」という一般的な理解とは異なる。かつて海上自衛隊がインド洋で行った他国軍への給油支援について、「国際法から見れば、日本はすでにNATO(北大西洋条約機構)の集団防衛、集団的自衛権の行使に参加したことになる」と指摘。自民党以上に民主党に手厳しい。自民党政権で始まり、民主党政権が強化したソマリア沖海賊対処の自衛隊派遣については、こんな見解を披露した。
 「それまでの海外派兵は『世界の悪者をやっつけるため』と謳っていたが、海賊対処の名目は『日本の国益のため』だ。これは戦後初めてだ。われわれは武力を国益のために使ってはいけないはずだ。歴代の自民党政権がやったことより、違憲という意味では最大の違憲行為だ」



「侵略されたら白旗を」

 そんな3氏が登壇した討論会はもっぱら、「原理主義的護憲派」の伊藤氏と、「9条2項削除論」の井上氏が意見をぶつけ合う構図で進んだ。改憲派、護憲派双方に厳しい批判を加える井上氏の主張にはうなずかされるところも多かった一方、伊藤氏の論には首をかしげざるを得なかった。

 「解釈改憲は(自衛隊の前身である)警察予備隊の発足から始まっていると思う。お三方は、どこからの解釈改憲がけしからんと思っているのか。安倍政権からか、ここ(警察予備隊発足)からか」
 司会の今井氏がそう問題提起したのは、「安倍政権の憲法解釈変更はダメだが、自衛隊を容認する憲法解釈は合憲だ」という主張への疑問に基づく。

 井上、伊勢崎氏はおおむね今井氏と認識を共有しているが、伊藤氏は「警察予備隊から憲法違反だ」と短く述べつつ、今井氏の質問そのものに食ってかかった。
 「この国で守られていないのは9条だけじゃない。民主主義なんてこの国、一度も実現したことがないじゃないですか。1人1票なんて一度も実現したことがない。今の国会議員はすべて、最高裁が違憲状態と判断した選挙で選ばれている。この国は憲法の規範と現実が食い違っているのはある意味、あったりまえのことなんです。9条だけやり玉に上げるのはまったく理解できない」
 これに対し、井上氏は「安全保障の在り方に関わる問題と、定数是正の枠がいくらかという問題では規模が違う」と述べ、選挙制度など「マイナーな憲法解釈のゆがみ」と9条は同一視できないと指摘した。選挙制度で人は死なないが、憲法に明記されない巨大実力組織の存在は、ひとつ間違えれば国家の存亡や人の生死に関わる。

 井上氏の指摘はもっともだが、伊藤氏はなおも反論した。
 「決して些末なことではない。すべての国会議員が違憲状態の選挙で選ばれ、そこから首相が選ばれ、その内閣で最高裁判事が選ばれる。三権を行使するすべての公務員が憲法に違反する状態で選ばれている。9条と比べて些末な問題とはまったく考えない」

 伊藤、井上両氏の対決は、さらにヒートアップした。
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「(伊藤氏らは)自衛隊が海外に行って人を殺すことに反対だという。もし日本が侵略されたとき、国内で自衛隊が日本人を守るために敵を殺すのは認めるのか、認めないのか」
 井上氏にそう迫られた伊藤氏は「個別的自衛権を否定しますから、認めない」と即答し、「だから軍隊を持つなら、たとえ個別的自衛権の行使であっても国民皆兵、徴兵制で行くべきだ」と続けた。個別的自衛権を認めないと言いつつ、認める前提で「徴兵制」を持ち出す論理には唐突感があるが、伊藤氏はさらに続けた。
 「ただ徴兵制は、国家が国民に殺人を強制することになる。それは個人の尊重という観点から許されない。そこからさかのぼると徴兵制は無理だから、つまり軍隊を持つこと自体が無理だという筋を通すべきだ」

 この論理には傍聴していた一般参加者も理解に苦しむところがあったらしく、会場から改めて「侵略を受けた場合はどうするのか」との質問が飛び出した。伊藤氏はこう答えた。
 「仮に侵略されたときにはどうするか? それは白旗をあげることだ。警察や(自衛隊を改組した)国境警備隊が正当防衛や緊急避難の範囲で武器を使用することはあるかもしれないが、武器を持たない市民は、非暴力、不服従を徹底すべきだ」
 「誰も住んでいない岩の塊を取ろうというところはあるかもしれないが、人々が生活している日本に、命を奪い、生活を破壊する目的で侵略してくる国があるか。テロ組織のようなもの以外に、国がそういう行動に出ることは現実的には考えていない」
 伊藤氏の「白旗論」は、過去にある知識人が「もしソ連が攻めてきたら白旗を掲げ、赤旗を掲げれば日本は助かる」と非武装中立を訴えたことを想起させる。40年近く昔、東西冷戦期のエピソードだ。

 またもや井上氏がかみついた。
 「戦わずに白旗を上げろというのは『諦観的平和主義』という。これは不正な侵略にインセンティブ(動機付け)を与えて危険だ」
 これに対し、伊藤氏は「非暴力や不服従のさまざまな抵抗はするが、暴力や武力を行使して抵抗することはしないという意味だ」と補足。「ガンジー主義」での反撃は、個人の心構えとしては崇高だが、「他人に強制できない」(井上氏)のは確かだろう。

 伊藤氏には会場から別角度の質問が飛んだ。「集団的自衛権も個別的自衛権も認めないというが、もし日本が侵略されたら、国連安保理に助けを求め、世界の軍隊に日本を守ってくださいと言うのか」。つまり、国連の集団安全保障をどう考えるかとの質問だ。
 「私はそれは拒みます」。そう即答した伊藤氏だが、「各国がそれぞれの国益に従い、独自に考えて」判断すべきことだとも付け加えた。さらに「そのとき、私は『国内が戦場になる形での武力行使はやめてくれ』と言う」とも述べた。
 どうにも歯切れが悪いが、「日本有事でも助力は拒むが、勝手に助けてくれるなら拒否はしない。ただし注文は付ける」という主張と理解できる。そのような態度が国際的に理解されるだろうか。

 なお、徴兵制については、井上氏は良心的懲役拒否権を保障したうえでの導入を訴えた。軍隊の民主的統制が、戦争への歯止めにつながるとの考えからだ。「懲役拒否が本当に機能するか」と質問した若者には、冗談めかしつつもこう指摘した。
 「自衛隊が危険な状況にいて、自分たちは安全地帯に身を置いているのは今の若者だ。なぜ懲役拒否権を行使できないって被害者ヅラするの? 君たちが許しがたいタダ乗りをしているだけだ」



運動論のワナ

 伊藤、井上両氏の応酬を見る限り、旧来型の「護憲派」と、「新9条派/9条2項削除派」の間に横たわる溝は深い。それは護憲派の「運動論」をめぐるやりとりにも如実に表れていた。

 「世論調査では、憲法9条を守るべきだと考える国民のうち、7割以上が自衛戦争は認めている。どう考えるか」
 司会の今井氏がそう3氏に質問し、同様の公開質問状を護憲派団体「9条の会」に出したが、回答がない状況だと説明した。

 9条の会と関係の深い伊藤氏は、次のように答えた。
 「9条の会にはいろいろな考えの人がいる。その質問に対し、組織としてどう考えているかは答えられない。『あなたはどっち』と踏み絵のように突きつけていくのは、運動を分断させる方向に使われてしまう」
 井上氏や今井氏のような議論は「敵(=改憲派)を利する」ということだろう。

 会場からも、リベラル勢力が“改憲”を唱えることに懐疑的な声が相次いだ。
 「新9条という議論が出ていると知人に話したら『国会前(のデモ)に来ていない人が遠くから言ってるんじゃないか』と。リアルにその感覚は分かる」
 ある男性はそう発言。別の女性も、「戦争する国になる」「9条が壊されようとしている」といった「分かりやすい」スローガンを掲げて護憲運動を進めるべきだと主張した。

 こうした立場を、井上氏は手厳しく批判した。
 「デモに参加しない奴は何も言うなという。典型的な運動論の落とし穴だ。運動に入ること自体は立派でも何でもない。そこで自己満足してもらっちゃ困る。自分たち自身を、自分たちの頭で批判的にもう一度、考え直してください」
 司会の今井氏も声を荒らげる場面があった。
 「わけの分からない解釈改憲が進行して集団的自衛権、安保法制が認められているのは、9条の中身をあいまいにしてきたからだ。その反省がなく、次の参院選でも『みんなで9条守りましょう』で行きましょうという。反省をなぜできないんですか!」
 「アベ政治を許さない」といったスローガンに見られるように、「反安倍政権」を前面に打ち出して結集を図る運動の在り方には、伊勢崎氏が苦言を呈した。
 「私は『自衛隊返ってこい』という政治勢力ができればいい。安倍政権打倒じゃない。そうでないと元のもくあみだ。安倍政権や自民党政権が続いても、戦争しなければいい」
 伊勢崎氏は、紛争地の環境やPKOの在り方自体が激変している状況で、海外派遣中の自衛隊が大きなリスクを負わされていると指摘。自衛隊をいったんすべて帰国させ、憲法について国民的な議論を行うべきだと主張する。伊勢崎氏は「民主党が一番罪深い」とも重ねて批判し、自民党や改憲派の一部も取り込む形での運動が必要だと指摘した。

 約3時間に及んだ討論を、伊藤、井上両氏は次のように締めくくった。
 「今、改憲プロセスを発動すべきではない。あいまいにしようというのではない。私たちが主体的な主権者として声をあげ、行動できるだけのリテラシーを身につけるため、いったん棚上げということも十分ありうる。憲法と法律の区別すらつかない人がまだ圧倒的多数だ。立憲主義なんて言葉は数年前からメディアに載るようになっただけだ」(伊藤氏)
 「伊藤さんのような話は『お前らまだ民度が低いから無理だ』という議論にしか聞こえない。民主主義の最善の学校は民主主義自体の実践で、偉そうな知識人が教えてくれるものじゃない。改憲やったらアホなことになるかもしれないが、その手痛い失敗から学習していく。押し付け憲法論には反対だが、憲法が借り物なのは確かだ。借り物のまま、主権回復してもう60年たっている。いい加減にやめてください」(井上氏)

 リベラル派から、ここまで公然と“改憲”が語られるようになったのは大きな変化だが、旧来型護憲派の反発は強烈で、政界にもその主張をすくい上げる勢力は見当たらない。しかし、こうした議論の封殺に走るようなら、護憲運動の敗北はまだまだ続くだろう。討論会を見ての率直な感想だ。

(政治部 千葉倫之)





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改訂履歴
なし

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